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萌えから日常まで徒然なるままに。
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今日は政宗公の誕生日ですね!
この日だけはちゃんと毎年何かしたいと思っていたのですが…さすがに新刊が最優先なので諦めました。すみません…。でも下書きまで終わってるので、近い内もしくは旧暦のお誕生日にUP出来たらと思います。…あれ?今日が旧暦…?すみません頭回ってなさすぎです…。
いっそインテの無配にでもしようかな~とか思ったんですが、そうするとインテにいらっしゃらない方に申し訳ないので、やっぱりサイトに載せようと思います。すみませんがもうしばらく待って下さい…!
代りといってはなんですが、少し前についったに投下した煙草ネタをこっちに持って来てみました。途中で終わってて、続きを書いたはいいけどついったに投下するには長くなってしまったので…(苦笑)≪つづきを読む≫をクリックして頂くと本文が出てきます~。
最初は政宗様とちかちゃんとの会話だけで終わるつもりだったんですが、書いてる内に長くなり、結局「小十郎がいないなんて(私が)つまらない!」という結論に至りました(笑)
元々ついった用だったこともあり文章がちょっと簡潔すぎるというかぶっちゃけ読みづらいんじゃないの?と思うのですが…よろしければ読んでやって下さいませ…^^


「あれ?お前煙草吸う奴だったか?」
「An? 吸わねぇよ何だいきなり」
並んで歩いていた元親の突然の問いに政宗は眉を顰める。煙草を吸う姿など一度も見たことがないだろうに、突然何を言いだすのか。そもそも煙草を吸うのは元親の方だろう。
「いや…なんか、煙草の匂いしねぇなぁと思って」
「…訳わかんねぇんだけど。吸わねぇのに匂いなんかするワケねぇだろ。」
突然の問いに続く意味不明な言葉。苛立ちを隠さない政宗に、元親は困ったように頭を掻いた。
「あー…そうなんだが、そうじゃなくてだな」
「何だよ一体」
匂いを確認するように顔を寄せてくる元親に、威嚇するように睨みつけてやっても一向に気にする様子もない。
いい加減にしろとキレかけた政宗は、しかし次の元親の一言に発するべき言葉を失った。
「いつもの匂いがしねぇな、と思ってよ。」
「――――!」
「あんま気にしたことなかったけど、そういやいつも煙草の匂いしてたな…って、ふと思ったんだよ。そんだけだ。
気ィ悪くしたなら悪かった。」
煙草の匂い嫌いだったか?――そう続けて問う元親の声は既に政宗の耳には届いてはいなかった。
言われるまで、気付きもしなかった。
慣れ親しんだあの家の匂い。嫌な匂いだと感じることもいい匂いだと思うこともなかった。
それ位馴染んでしまっていた、ヤツの吸う煙草の匂い。

煙草という言葉を耳にした瞬間に苛立ちを感じたことさえ、無意識だった。

‥‥‥二日前、小十郎と喧嘩をしたのだ。

きっかけは些細な口論で、でも、出て行けと怒鳴った政宗の言葉通り小十郎は出て行った。
二人の暮らすその家で、煙草を吸っていいのは小十郎の部屋だけというのが二人の作ったルールだった。
自分は、一体どれだけの時間をその部屋で過ごしていたんだろう?完全に匂いが染み込んでしまう程、どれほど‥‥‥
小十郎が出て行ってから、政宗は一度も小十郎の部屋には入っていない。
今の“当たり前の自分の匂い”はいつもの当たり前の日常ではなくて。

「…政宗?」

元親に怪訝そうな声を掛けられ、政宗は初めて自分が立ち止まってしまっていたことに気付いた。
なんでもねぇよ・とごまかすように笑いながら早口で返しながら再び歩き出せば、元親は何も言わずに隣に並んで歩き出す。
「なぁ、そろそろ飯食わねぇ?腹減ったし、暑ィし」
よく行くファミレスの前を丁度通りかかったこともあり、政宗はファミレスを指さし元親の反応を窺った。特にいぶかしむ様子もなく頷く元親に、自分の態度に特におかしいところはないはずだ…と、政宗はホッと胸を撫で下ろす。時刻はまさにランチの頃合いだった。

「お煙草は吸われますか?」
「あぁ…いや、禁煙席で。」
「は?いいのかよ」
店員の案内にいつもとは逆の返事をする元親に政宗が思わず口を挟めば、どこか呆れたようなため息で返された。
「事情は知らねぇが、他の匂いつく前に仲直りなり何なりした方がいいんじゃねぇのか?」
突然の指摘に、政宗の思考は一瞬停止した。小十郎と一緒に暮らしていること自体は隠していないが、喧嘩したことまで話した覚えはない。
「何の話―――」
「違うのか?」
違うと言おうとして、政宗は言葉に詰まる。
否定したところで、守れるものなど表面的な面子だけ。何も自分からは話していないのにこんなにもあっさりと喧嘩したことを見破られてしまった時点で、その面子を繕うことすらある意味滑稽かもしれなかった。

小十郎と喧嘩することなど殆どなくて、しかも政宗が勢いで叩きつけた言葉通りに小十郎が出て行ってしまったものだから、頭に血が上ったまま考えることをやめてしまっていた。
喧嘩の原因は、そもそも何だったか‥‥‥

『お前、いつもつるんでるヤツに煙草吸うヤツいるのか?』
間違いなく自分の部屋以上に過ごす時間が長いその部屋のベッドの上で、ごろりと転がりながら雑誌を読んでいた政宗に小十郎は唐突な質問を投げかけてきた。
『ん?あぁ…それがどうかしたか?』
『店とか入る時、喫煙席に座るだろう』
『だからそれが何だよ。…そういや、お前とメシ食う時はいつも禁煙席だよな。』
小さい頃から父親がいつも煙草を吸っていたこともあり、政宗にとって煙草の臭いは不快感をもよおすどころか馴染み深い“家の匂い”だった。自分が吸わないため銘柄等には詳しくないが、小十郎と二人で暮らし始めてからは当然小十郎の吸う煙草の匂いが政宗にとっては“家の匂い”になっていた。
だが、小十郎は政宗が部屋に来ると煙草を吸うのをやめてしまうし、どちらかというと部屋に入り浸るのにも渋い顔をしていた。
かと言って政宗が部屋で待っていれば来るかというとそういうわけでもないので、結局政宗が押し掛ける形でいつも小十郎の部屋で過ごすことになっていたのだが―――
『体に悪いだろう』
『は?何だよいきなり。そんなのこの部屋だって同じだろ』
過保護な小十郎のことだ。恐らくいつも政宗の体の心配をしてくれてはいるのだろうが、何故今そんな話を切り出すのかがわからず政宗は苛立ちを覚える。
少々突き放す口調になってしまっていただろうか…だが、それを考える程の余裕はなく。
『…だったら、もうこの部屋に入ってこなくていい』
『‥‥‥は?』
突然の宣告に、返せる言葉などなかった。

その時は小十郎が何を言いたいのかわからなくて、いつまでも保護者面しやがって・位に思っていたけれど‥‥‥本当は、本当に小十郎が言いたかったことは――――

「どうするんだ?」
入口で立ち尽くしてしまったまま、視界の隅には呆れ顔の元親と困り顔の店員。
別に、今政宗が急いで小十郎の元へ走ってどうなるというものではない。大学生の政宗と違い小十郎は今頃仕事中のはずなのだから…そう、わかってはいるけれど―――
「…悪ィ。」
短く告げた詫びの言葉に、元親は盛大なため息で答える。
暇なら付き合え・と大学の帰りに声を掛けたのは政宗の方だったのに、暑い中ただ歩くだけで終わってしまった。
申し訳ない気持ちはあったが、背中を押したのは他でもない元親なのだからこれはこれで仕方がない展開というやつだろう。実際ため息を落としながらも顔は笑っていて、早く行けとばかりに頭を小突かれた。
「今度なんか奢れよな」
「覚えてたらな!」
「ってオイ!!」
最後の最後で悪態をつく政宗に、元親の非難の声が被る。笑ってそれを受け流しながら、政宗はファミレスを後にした。

小十郎の居場所なら知っている。声を掛ければ泊めてくれる女などいくらでもいるだろうに、あの男は律儀にも一人の夜を過ごしているのだ。知っている。知っていたのに――――
「ぅわっ!」
歩く気分にもなれずなく勢いのまま走っていた政宗は、角を曲がったところで向こうから来た人影にぶつかってしまった。慌てて顔を上げるが、続くべき謝罪の言葉は驚きに一旦散り消える。
「気をつけ―――、政宗…?」
「小十郎!?どうしてここに…」
ぶつかった相手は、まさに今から会いに行こうとしていた相手だった。
信じられない偶然に目を瞬かせれば、小十郎の方もやはり驚いているのだろう…咄嗟に支えるよう腰に回した手はそのままに、至近距離から政宗を見下ろしてくる。
「仕事に決まってるだろう。お前こそ大学はどうした。」
「今日はもう終わ―――ってオイ!!」
自分から聞いておきながら、答えに興味などないと言わんばかりに強く引き寄せられ政宗は咄嗟に肘を突っ張った。耳に髪に、小十郎の息がかかる。
「…あれから、俺の部屋には入ってないのか。」
「お前がいねぇのに入ったってしょうがねぇだろ。」
平日真昼間道のど真ん中―――どうやら、今の小十郎にとってそんなことはどうでもいいらしい。
自分から出て行っておきながら(出て行けと言ったのは政宗だが)二日分の飢えを補うかのように強く抱き締められ、その力強さに政宗はわずかに呻く。
「…他の男の部屋には?」
「入るわけねぇだろ!」
「…そうか」
不躾な質問をしておきながら、望む答えが返ればあからさまに安堵の表情を見せる男に政宗は小さくため息を落とした。
…こんな、ガキみたいに独占欲の塊だなんて知らなかった。
昔からずっと、いつだって小十郎は頼れる存在であり手本だった。小十郎自身意識してそう振る舞っていたんだろうとは思うが、それにしたって極端すぎる。
二人が恋人といえる関係となったのはもう随分前の話だ。なのにずっと以前通りに振る舞っておいて、いきなりこんな風に本性を見せられるなどたまったものではない。…まぁ、悪い気はしないけれど。
「…帰ってこいよ。今のままじゃ…落ち着かねぇ」
小さく呼び掛ければ、抱きしめる腕の力が少しだけ、柔らかく緩んだ気がした。
「――――あぁ、俺もだ。」
政宗の呼び掛けと同じ位小さい声で…しかし安堵と喜びに満ちた声で、返事と―――そして、小さなキスが降ってきた。

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